生保労連(全国生命保険労働組合連合会)は生命保険会社の営業部門・事務部門に働く労働者25万人(19組合)を組織する労働組合です。

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産業政策課題に関する取組み

郵政問題への対応

郵政民営化にあたって、生保労連では、民間会社との「公平・公正な競争条件の確保」が大前提であり、「民業圧迫」は決して認めるべきではないとの意見発信を行ってきました。

 

郵政改革に対する私たちの主張

【郵政改革に対する私たちの主張】

〈 郵政改革にあたっては、「公平・公正な競争条件の確保」が大前提です 〉

政府の関与が残り、行政拠点として郵便局ネットワークが活用されることによって、郵政事業の公的性格が強まり、国の信用力(=暗黙の政府保証)を背景とした事業展開がより一層懸念されます。

今後の郵政事業の見直しにあたっては、「公平・公正な競争条件の確保」を大前提に検討を行う必要があると考えます。

〈 かんぽ生命等の業務拡大による「民業圧迫」は到底認められません 〉

政府の関与が残る以上、「加入限度額の拡大」や「第三分野商品の解禁」といった業務範囲の拡大は、決して認められるべきではありません。むしろ、既存業務の見直し・縮小をはかっていく必要があると考えます。

郵便事業のコストを、「民業圧迫」につながる金融事業の業務範囲拡大で賄うという考え方は、健全な金融システムの発展を阻害するものであり、また、組合員の雇用に与える影響も大きく、到底容認できるものではありません。

〈 くれぐれも慎重な検討が必要です 〉

郵政改革が金融システム全体や地域経済に与える影響は相当広範であることから、今後の議論にあたっては、適時関係方面から幅広く意見を聴取し、透明性の高いプロセスを経て、慎重に議論を進めていく必要があると考えます。

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2012年4月27日には「郵政民営化法等の一部を改正する等の法律」(以下、改正郵政民営化法)が成立し、同年9月には、かんぽ生命から金融庁長官および総務大臣に対し、学資保険改定の認可申請がなされました。生保労連では公平・公正な競争条件の確保の観点および民間会社の販売面への影響の観点から、この認可申請は認められるべきではない旨を主張しましたが、新たな学資保険は2014年4月より取扱いが開始されています。

 

《参考1》改正郵政民営化法の概要と生保労連の見解はこちら

《参考2》学資保険の改定に係る経緯と生保労連の見解はこちら

学資保険の改定に係る経緯と生保労連の見解

<学資保険の改定に係る経緯>

・2012年9月3日、株式会社かんぽ生命保険から金融庁長官および総務大臣に対して、学資保険の改定を内容とする新規業務について認可申請がなされた。

・同年9月5日、郵政民営化委員会が、「かんぽ生命保険の学資保険の改定に関する郵政民営化委員会の調査審議」に関する意見募集を実施した。

・同年11月22日、郵政民営化委員会より「株式会社かんぽ生命保険の新規業務(学資保険の改定)に関する郵政民営化委員会の意見」がとりまとめられた。

・同年11月30日、学資保険の改定について、総務省と金融庁から改正郵政民営化法上の認可が条件付きで出された(今後、郵政民営化法上の認可に付された条件について、これらの条件が成就し、総務省・金融庁が承認する際には、同時に保険業法上の認可も行われることとなった)。

・2013年2月5日、株式会社かんぽ生命保険より、「学資保険の改定に係る取り扱い開始予定時期の延期」が公表され、当初かんぽ生命が予定していた2013年4月からの発売は見送られることとなった。

・2014年1月24日、総務省・金融庁が、学資保険の改定について2012年11月30日の郵政民営化法に基づく認可の際に付した条件が満たされたことを承認した(同時に、金融庁より保険業法上も認可)。その後、4月2日に新たな学資保険の取扱いが開始された。


<生保労連の見解のポイント>

・生保労連では、「学資保険の改定」に関する郵政民営化委員会の「問題ない」との意見や、総務省と金融庁からの改正郵政民営化法上の条件付認可は、到底受け入れられない。

・生保労連では、改正郵政民営化法に則り、適切な判断がなされることを改めて強く要望する。

 

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その後、2014年9月1日に、郵政民営化委員会から、3年ごとの郵政民営化の進捗状況について総合的な検証を行うにあたっての参考とするための意見募集がなされたことに対し、生保労連としての意見を提出しました。

 

同年12月には、日本郵政株式会社から「日本郵政グループ3社の株式上場について」が公表され、2015年半ば以降、日本郵政の株式売り出し・上場にあわせ、金融2社(かんぽ生命、ゆうちょ銀行)の株式同時売り出し・上場を目指す旨が示されたことを受け、生保労連としての見解を公表しました。

 

「上場計画」が示されたことについては民営化に向けた一定の前身であると考えるものの、かんぽ生命の株式については、「経営の自由度の拡大等を視野に入れ、まずは、保有割合が50%程度となるまで段階的に売却していく」とされており、完全売却に向けた具体的な計画が示されていないことに加え、経営の自由度の拡大ありきと受け止めざるを得ない内容となっています。また、改正郵政民営化法成立時の附帯決議において「当面は行わない」とされている「加入限度額の引き上げ」も懸念される状況にあります。

このような状況下、わたしたちは改めて一般個人の方を対象に「郵政民営化に関する意識調査」を実施しました。

 

調査結果からは、いわゆる「暗黙の政府保証」が未だ払拭されていない実態や、大半の方がかんぽ生命の業務範囲に制限があることを不便に感じていないことが明らかになっています。

2015年6月26日には、自民党が公表した「日本郵政グループ3社の株式上場における郵政事業のあり方に関する提言」において、かんぽ生命の加入限度額について、「9月末までに1,300万円から2,000万円への引き上げ」を求める内容等が示されました。その後、金融担当大臣、総務大臣からの要請を受けた郵政民営化委員会より、7月14日に「今後の郵政民営化の推進の在り方に関する郵政民営化委員会の調査審議に向けた意見募集」がなされ、8月27日には関係各団体へのヒアリングが行われました。このような動きに対し、生保労連では以下の対応を行いました。

6月29日

○かんぽ生命の加入限度額引き上げに関する見解表明

7月~8月

○全組合・全職場において「職場決議」を実施(合計9,431枚)

8月3日

○郵政民営化委員会への意見提出

8月21日

○定期大会において「特別決議」を実施

8月27日

○郵政民営化委員会が実施した関係各団体へのヒアリングにおいて、生保労連としての意見を表明

 

その後、11月4日に日本郵政グループ3社(日本郵政株式会社、株式会社ゆうちょ銀行、株式会社かんぽ生命保険)の株式が東京証券取引所に上場され、生保労連としての見解を公表しました。

 

12月25日には、郵政民営化委員会が「今後の郵政民営化の推進の在り方に関する郵政民営化委員会の所見」を公表し、当面の対応として「かんぽ生命の加入限度額(加入後4年経過した契約)を、現行の1,300万円から2,000万円に引き上げる」旨等が示され、生保労連としての見解を公表しました。

 

かんぽ生命には、民間会社には無い政府の関与を背景とした絶大な信用力があり、民間会社との競争条件に明らかな差異が存在することを、生保労連が実施した国民意識調査結果や、平成26年4月から販売されているかんぽ生命の新しい学資保険の驚異的な販売実績等を示し訴えてきたにもかかわらず、このような結論が示されたことは、生保労連の意見が考慮されておらず、到底容認することはできません。

また、かんぽ生命の株式の完全売却に向けた具体的な計画も未だに示されないなか、当面の対応、さらには将来的な一層の緩和に向けた検討の方向性が示されたことは、民業圧迫につながるものであり、誠に遺憾であると言わざるを得ません。

その後、2016年1月25日には、「所見」を踏まえ、総務省・金融庁よりかんぽ生命の加入限度額引き上げに関する「郵政民営化法施行令の一部を改正する政令(案)」が公表され、意見募集がなされたことから、生保労連としての意見を提出しました。

 

生保労連では、郵政民営化問題について引き続き民間会社との公平・公正な競争条件の確保の観点から、取組みを継続していくこととしています。

 

《参考3》郵政民営化に関する生保労連のこれまでの取組み
(2012年4月以前)