2024年度運動方針
III. 組織の強化・拡大
「Ⅲ.組織の強化・拡大」全体を通じて、「『組織強化・拡大』の着実な前進に向けた中期取組み方針<2021年1月−2025年8月>」(以下、「『組織強化・拡大』中期取組み方針」)最終年度のフォローを行うとともに、総括、および次期中期取組み方針策定に向けた検討を行う。
1. 各組合の活動・組織強化を支援する
(1) 各組合に対する支援の強化
① 各組合との日常的な連携強化
中央執行委員会、常任執行委員会、営業職員委員会、内勤職員委員会をはじめ、単位組合委員長会議、単位組合書記長会議、単位組合課題別情報交換会、単位組合オルグ、各組合への個別訪問および大会への役員派遣等を通じて、各組合との日常的な情報交換と一層の連携強化をはかる。
諸会議・行事等の開催にあたっては、対面開催を基本に、各組合のニーズや組合員の価値観・生活様式の変化、デジタル化の進展に加え、SDGsの観点等を踏まえ、適時適切なテーマ設定や効果的・効率的な運営に努める。また、原則、ペーパーレスによる効率的な運営を前提に、それぞれの会議・行事等の開催目的や参加対象層等に応じて、柔軟かつより効果的な方法にて開催する。あわせて、各組合に対して積極的な参加勧奨を行う。
なお、災害やパンデミックの発生時には、組合員の安全・安心を確保する観点から、各組合および連合・生保協会と連携を取りながら、迅速かつ機動的な取組みを行う。
② 雇用・組織問題を抱える組合への支援強化
雇用問題および組合の組織問題について、各組合が抱える雇用・組織問題に関する課題が多様化・複雑化していることから、当該組合と緊密に連携し、適切な支援・アドバイス等に一層努める。支援等にあたっては、労働組合として的確な対応がはかれるよう、情報提供機能の充実とあわせ、雇用・組織問題全般について幅広い視点から研究・検討を行うなど、支援体制の強化に努める。
また、「『組織強化・拡大』中期取組み方針」に関する単位組合へのヒアリング等を通じて把握した課題を含め、各組合固有の課題の解決・実現に向け、引き続き当該組合への個別支援を行う。
あわせて、個人加盟組織への駆け込みや連合の地方連合会への個別相談等について、各組合への情報提供を行うとともに、実際に駆け込みや個別相談があった場合は、当該組合と緊密に連携し的確な対応を実施する。また、生保労連に個別の労働相談が寄せられた際は、当該組合と連携を取りながら適宜対応を行う。
③ ユニオンリーダーの養成と組合間の相互交流
今後の組合活動を担う人材の養成をはかるため、「ユニオンジャンボリー」を開催する。
開催にあたっては、生保産業で働く仲間の絆・つながりをより深め、継続的な交流がはかれるよう、各組合間・組合員間の交流・情報交換とネットワーク形成をはかる。
あわせて、ユニオンリーダー養成に向けた支援として、関連団体が主催する研修・セミナーの紹介を行う。
「『組織強化・拡大』中期取組み方針」に沿い、各組合の教育体制やニーズ等を踏まえつつ、引き続きリーダー養成に向けた諸施策について検討を行う。
(2) 組合活動における男女共同参画の推進
機関意思決定の場への女性参画を推進し、組合組織の一層の強化をはかるため、「『組織強化・拡大』中期取組み方針」に沿い、組合活動における男女共同参画を推進する。
具体的には、単位組合書記長会議を中心に「『組織強化』に関する行動計画」に沿った各組合の取組みのフォロー・情報交換・情報提供を行うとともに、「ジェンダー平等推進委員会」を設置し、取組みの推進をはかる。あわせて、組織内に加え、他産別などでの先進的な取組みの情報収集・情報提供を行う。
また、「組合活動におけるワーク・ライフ・バランスの実現」に向けて、単位組合書記長会議やジェンダー平等推進委員会における情報交換等を通じ、取組みを推進する。
加えて、女性のエンパワーメント向上、女性同士のネットワークづくり等をはかるため、女性組合員交流会「いきいきCafe」を同内容にて対面で2回(東京と地方)開催するとともに、「ジェンダー平等推進セミナー」を開催し、ジェンダー平等をめぐる情勢や取組み事例の共有等を通じ、ジェンダー平等に関する課題の共有・取組みの推進に向けた意識の醸成をはかる。
さらに、組合活動への女性参画の積極的な推進をはかり、役員候補者育成につなげるため、生保労連および連合の男女共同参画関連の年間行事(諸会議・セミナー・集会等)への女性参加者を年度始に登録し、年間を通じた参加勧奨を行う。あわせて、登録者・各組合に対し各種行事の開催内容や男女共同参画に関する情報等を発信し、取組みの推進につなげるため、「いきいきNews」を発行する。
なお、中央執行委員会における審議および生保労連の活動全般に女性の視点を一層反映させるため、引き続き「女性特別中央執行委員」制度を設置・運営する。
(3) 生保労連の機能強化
「チャレンジビジョン2030」で示した「労連運動の3つの方向性」に沿った取組みを着実に実践するとともに、同ビジョンの組織内外への理解浸透に努める。
また、2020年度に確認した「SDGsの視点から見た生保労連の取組みの検証」結果を踏まえ、生保労連の活動全般について、SDGsの観点から継続的にチェックし、必要に応じて活動の見直しをはかる。
加えて、特別委員会として「2024組織・財政検討委員会」を設置し、「2021組織・財政検討委員会」における検討内容等を踏まえつつ、組織面・財政面の継続的なフォローに努める。
(4) 生保労連・各組合との一層の連携強化に向けた基盤整備
2022年度に導入したサイボウズをはじめとする各種インフラ整備の対応を踏まえ、引き続き、導入されたツール等を効果的・効率的に活用し、生保労連本部役員や各組合との一層の連携強化に努める。
2. 働く仲間との絆・つながりを深める
(1) 生保産業における未組織労働者の組織化(組織拡大の取組み)
生保産業で働くすべての仲間の絆・つながりを深めるために、「『組織強化・拡大』中期取組み方針」に沿い、未組織労働者の組織化(組織拡大)を推進する。
具体的には、単位組合書記長会議を中心に「『組織拡大』に関する行動計画」に沿った各組合の取組み状況に関するフォロー・情報交換・情報提供を行う等、各種の取組みを行う。
また、「『組織強化・拡大』中期取組み方針」に関する単位組合へのヒアリング等を通じて把握した課題等を踏まえ、引き続き当該組合との連携、諸会議での情報提供を通じて各組合への支援を行う。
さらに、生保労連として、未組織労働者の組織化に向け、他産別の取組みも参考としつつ、連合とも協力の上、必要に応じて対応を行う。
加えて、オブザーバー加盟組織の正式加盟に向けた検討状況等について継続的にフォローするとともに、状況に応じて必要な支援を検討・実施する。
(2) 国内外の働く仲間とのネットワークの強化
① 連合運動への積極的参画
産業別労働組合としての社会的責任を果たしていく観点から、連合諸会議・諸活動への参加、連合事務局・関係団体へのスタッフ派遣等を通じて、連合運動に積極的に参画する。参画にあたっては、金融・保険部門のリーダー産別として、発言力・政策提言力の一層の向上に努めるとともに、生保産業・営業職員への社会的理解の拡大に努める。
加えて、連合運動について各組合・組合員への一層の理解浸透をはかるため、連合のオンラインを活用した諸行事や動画配信の案内を各組合・組合員に積極的に行う等、連合運動に関する効果的な情報提供(連合運動の「見える化」)に努める。
なお、地方連合会との関わりを含めた連合運動への参画のあり方については、「2021組織・財政検討委員会」報告を踏まえつつ、まずは地方連合会の組織・活動の実態把握に努め、生保労連としての参画のあり方等について検討を行う。
② 他産別・友誼団体との交流
「中連懇話会」「金融四単産情報交換会」「金融商業労組懇談会」等の友誼団体を中心に、他産別と交流・情報交換を行い、生保産業・営業職員の社会的理解拡大や生保労連の政策諸課題の解決、労働諸条件の向上等に努める。
③ 国際交流
「UNI(※)」等を通じて、海外の働く仲間との連帯・交流・貢献活動を推進する。
※1:UNI(ユニオン・ネットワーク・インターナショナル)
世界150ヵ国の商業、流通、情報、金融、サービス等のホワイトカラーの900の労働組合が加盟する国際労働組合組織。FIET(国際商業専門職技術労連)とCI(国際コミュニケーション労連)が2000年に統合して現在に至る。組合員は2000万人。生保労連は1998年にFIETに加盟し、UNI結成を経て現在に至る。
※2:UNI−LCJapan(UNI日本加盟組織連絡協議会)
日本のUNI加盟組織がUNI活動への対応を検討し、意見調整をするための国内の協議会。2000年に発足し、現在17組織、100万人が加盟
3. 生保労連・各組合の活動への理解を広める
(1) 活動の「見える化」の推進
生保労連の組織強化の観点から、組合員一人ひとりに対して生保労連活動の内容・考え方の理解浸透をはかるため、各組合と連携し、広報活動のさらなる充実・強化を通じた生保労連活動の「見える化」を積極的に推進する。
具体的には、組合員により興味・関心や親しみを持ってもらえるよう、機関紙「ユニオンネット」について、組合員目線に立ち、企画記事の掲載や読みやすさをより意識した紙面構成に努めるとともに、連合運動の「見える化」も意識した紙面づくりに努める。また、各組合における生保労連活動の「見える化」の一層の推進に向け、機関紙「ユニオンネット」のさらなる活用を促進する。なお、必要に応じて、機動的に別冊・号外を発行する。
あわせて、「生保労連ホームページ」について、生保労連公式キャラクター「ぱおん」の紹介コーナーの充実をはかる等、内容面・運営面のさらなる充実に努めるとともに閲覧状況を把握する。加えて、各組合の教宣活動に資するべく作成した「ぱおん」の紹介用ひな型の周知や活用事例の紹介等、適宜必要な対応をはかる。また、「マンスリー労連ニュース」やサイボウズ、「生保労連公式X(旧Twitter、以下「X」)」を通じ、生保労連活動のタイムリーな情報提供に努め、生保労連に対する一層の興味・親しみを持ってもらえるよう、適宜、幅広い話題を発信する。
さらに、「生命保険U&Uネットワーク」や「くらしと生命保険を語る会」等を活用し、組合員に対し直接生保労連の活動紹介を行うなど、生保労連活動のさらなる「見える化」に努める。広報活動にあたっては、「ぱおん」を活用し、生保労連の認知度やイメージのさらなる向上をはかる。
また、「広報担当者会議」を開催し、各組合における広報活動の充実・強化につなげるとともに、組合間の情報の共有化に努める。
加えて、広報機能全体がパッケージとして機能向上するよう、実態把握を行うとともに専門家等の第三者の知見等も取り入れながら、機関紙「ユニオンネット」、「生保労連ホームページ」、「X」等の各広報媒体間の連携強化や公式キャラクターのさらなる活用等、生保労連活動の一層の「見える化」に取り組む。また、本取組みのさらなる充実に向け、他産別等における先進的な取組みについて情報収集・情報提供を行う。