盆
2012年7月05日
組織・営業職員委員会を担当している琴川です。
私はかれこれ16年間単身赴任を続けております。
3年前、長男が大学生となり、一人暮らしを始めたのに続いて、今年二男が大学生となり、これまた1人暮らしを始めました。家では残された妻が1人で生活しておりますので、我が家は全員が単身赴任です。
妻は、息子の帰省が何よりも楽しみです。その日は食卓に豪華な食事が並び、また帰って行くときには、食べ物や服を沢山持たせています。私の母も元気なころは、私が帰ると、普段は妻に任せている台所に自ら立ち、私の好きな料理を作ってくれました。そして帰る日には、好物のアジの南蛮漬けを作って持たせてくれたものです。
妻の手前、何も作らなくていいと何度も母に言いましたが、一向にどこ吹く風で、きまって食べ物を作って私に持たせました。
私は学生の時から12年東京に住んでいました。就職もしており、そのまま東京で暮らしたかったのですが、母に「家は長男が継ぐもの」と何度も説得され、仕事を辞めて実家に帰りました。今から思えば、その言葉は口実で、私を目の届くところに置いておきたかったのでしょう。
母親の、息子に対する思いは、今も昔も変わらないようです。その母は1年間寝たきりの生活を送った後、83歳で他界しました。
もうすぐ夏休み、息子も私も帰省します。妻にとって、束の間の幸せな日々がやってきます。
「家は長男が継ぐもの」と母に言われて帰った私は、今また東京で1人暮らしをしています。私が東京に帰る日、妻はいつも私に訊きます。
「何か持って帰る?」
母が亡くなって、この9月で丸3年が経ちます。
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