生保労連(全国生命保険労働組合連合会)は生命保険会社の営業部門・事務部門に働く労働者25万人(19組合)を組織する労働組合です。

生保労連のつなげる、つながるブログ

テレワークは介護と仕事を両立させるキーなのか

みなさんこんにちは。副委員長の山本です。

生保労連は8月の第53回定期大会を経て、新たな1年がスタートし、私自身は早いもので3期目を迎えました。今年度も企画広報とジェンダー平等推進を担当させていただきますのでよろしくお願いいたします。

さて、前回のブログ(2020年9月10日発信)で、「テレワークはジェンダー平等のキーなのか」を発信しましたが、今回も「テレワークシリーズ」でいきたいと思います。

コロナ禍で急速にテレワークが普及し、さまざまなメリットが期待される中、自宅でも仕事ができることで「介護と仕事の両立」もメリットの一つとされています。

私自身、親の介護の入り口にさしかかったところであり、在宅勤務はまさに「介護と仕事の両立」を可能とする制度であると実感しているところです。 今は両親とも、まだ介助なしでも自分のことは自分で出来、食事作りについて姉と分担しながらという状況ですが、本格的な介護が必要になった場合は、どんな生活になるのだろうか・・・と最近身近な問題として考えます。

在宅勤務により、介護する子どもが近くにいることで、介護される親にとっては「子どもがそばにいるのでつい頼ってしまう」という状況が生まれやすくなると思いますし、介護する側は「自分がやらなくては」という意識が生まれやすくなると思います。 結果として、テレワークすればするほど、1日の介護時間が長くなりますし、また、介護と仕事を両立しているということで、「公正に評価されるか不安」といったキャリアへの不安感や「さぼっていると思われていないか。」という不安感も高いことが、データとして確認されています。

こうした状況にも関わらず、「テレワークなら介護との両立もしやすくなる」という教科書的な理解がされて、介護する部下を抱える上司や会社側がこうした前提を持つことで、テレワークで「一見両立できている」と安心してサポートの手を緩めてしまう、「どんどんテレワークしていいから」とさらに介護者を閉じ込めてしまうようなアドバイスをするなど、介護離職へのリスクを高める可能性があるということも、テレワークを進めるにあたって認識しなければならないことだと思います。

コロナ禍で外出不足、運動不足が進み、高齢者の認知機能の低下が進んでいると言われています。また、高齢化社会で、親の介護を抱える人口も増えていくことが見込まれる中、介護する部下を抱える上司や会社側が「テレワークできれば以前より両立できるだろう」という安易な認識で推進するのではなく、介護者のテレワーク時の不安も考慮しながら、「個への丁寧なケア」を怠らないことを、テレワークを進める側が意識することも大事ですね。

トラックバックする

トラックバック用URL: