のるか、そるかの不動産相場~自分の価値観を大切に~
2018年12月11日
みなさまこんにちは。今年9月から連合に派遣されている特別中央執行委員の大淵です。
連合では、経済・社会環境のベースの部分から、働く人たちを取り巻く環境を少しでも良くするために、様々な政策活動を行っています。
私の所属する経済政策局は、国の財政、税制、産業政策などを担当し、日々政策実現に向け取り組んでいます。
さて、私はいま悩みがあります。休みの日にはいろいろ街を徘徊しながら悩んでいます。家を買おうか、買うまいかと。個人的には今の賃貸で満足している部分も多いのですが、もうちょっと間取りが広くてもいいかな、とかあります。
まあローンさえ組めばいつでも買えるわけですが、アベノミクス開始以来、不動産、特に住宅価格は右肩上がりで高騰しています。
借金まみれ覚悟で買うかどうか・・・。
異次元といわれる金融緩和政策で金利が低位にへばりついてしまい、価格を押し上げている構造はよく言われているところです。
今後まだ上がるのか、横ばいが続くのか、もう下がるんじゃないのか、などいろいろ言われていますが、様々な要素が絡み合うため、「予言」する人はたくさんいますが、怪しいのも多いです。誰も断言できません。
私も過去に不動産投資の仕事に携わっていた事もあり、いろいろ考えてしまうわけであります。
仕事から帰れば、金融政策や物価動向、税制の動きなど考えたくない?のですが、自分自身の人生最大の買い物に関わるため、まさに自分事です。
例えば、
●来年10月に消費税が上がれば、
・増税分だけさらに値上がりする。でも中古物件は、消費税がかからないから変わらない?
・いやいや消費増税で全体の物価が押し上げられるので、不動産相場全体が上がる?
・逆に、増税を機に景気後退が始まり下落が始まるかも?
・さらには住宅ローン減税やすまい給付金が拡充されるので、増税後が実は得?
●金利動向を考えると、
・低金利の今のうちにローン引っぱった方が得?
・それとも近いうちに金利が上がれば不動産価格も下がるので待った方がいい?
→異次元緩和も5年経ったし、米国も利上げしているし、日銀もそろそろ
●東京オリンピック関連では、
・2020年前後でオリンピック景気が一服して価格はピークアウトする?
・晴海の選手村跡地の住宅大量供給でマーケット全体に下落圧力がかかる?
→低層住宅棟17棟、タワー型2棟で4100戸分譲。
賃貸含めた総戸数は5600戸!ひとつの街です。
●世界経済を見渡すと、
・米中の貿易戦争や英国のEU離脱による先行き不安・・
・米国の長短金利が先日ついに逆転。逆転後に景気後退するのがこれまでの経験則だが今回は?
・リーマンショックレベルの下落リスクは、いまの金融機関の資本充足状況から見てなさそう?
●為替の観点から考えると
・外国人投資家に買われていた不動産が、円安修正で売られて価格下げる?
→米国の利上げがストップされて円高に?日米貿易交渉で為替条項が導入されちゃう?
●人口動態から見れば、
・人口減少傾向は明らかなので、そもそも需要が減り価格も下がっていくのでは?
などなど、きりがありません。
また、不動産は、株や債券などの有価証券と異なり、一物一価の商品であるため、う~ん、この物件はいいかもしれないな~、などと悩んでいるうちに他の人に買われてなくなってしまい、同じ物件はもう出ません。
いつ下がるのかわからないのに下がるのを待ってたら、快適な家で家族と過ごす貴重な時間が失われていくだけ、という指摘もあり傾聴に値します。
他にもいろいろ検討要素はありますが、結局自分が気に入った物件が一番いい物件だ、という事かもしれません。そこに住むことに感じる幸福度は人それぞれの価値観によるもので、多面的であり、マーケットでの価値、経済的価値を超えたものでしょう。(今までさんざん価格の話をしていて何ですが。)
以上、私の悩みを取り留めなく書きましたが、同じ悩みを抱える皆さんの少しでもお役に立てれば幸いです。
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