さりげないサポートを
2015年10月15日
皆さん、こんにちは。今年9月から連合に派遣されている特別中央執行委員の加納です。
初めてのブログ投稿ですので、まずは簡単な自己紹介をしたいと思います。
〈自己紹介〉
先月40歳を迎えた1975年生まれ。身長は172㎝、体重は59キロ(ここ最近は増加基調)。
まだ連合に着任してからの期間は短いのですが、この10月からは主に経済政策、財政まわりに携わっています。何卒よろしくお願いいたします。
〈最初に〉
さて、今日は「認知症」のことに触れたいと思います。ただ、最初に誤解がないよう「認知症」は決して恐ろしい病気ではない、悲観するものでもない、誰もがなる可能性のあるもので、周りの支援などにより変わらず穏やかに生活できるものであることを言っておきたいと思います。
今後も「認知症」を患っている人の数はますます増加していくようです。小さなことからでも自分は何をできるのか、手伝えるのか、自分の現在進行形の状況も交えながら、話を進めていきます。
〈認知症を患う人の数〉
今年1月、厚生労働省は「全国で認知症を患う人の数が2025年には700万人を超える」との推計値を発表しました。認知症高齢者は2012年時点で全国に約462万人と推計されており、約10年で1.5倍にも増える見通しで、65歳以上の高齢者の5人に1人が認知症に罹患する計算となります。
〈なぜ「認知症」の話をするのか〉
それは私の身近な人が、今年8月に「認知症」と医者に診断されたからです。
〈認知症サポーター講座を受講してはいたのですが・・・〉
昨年、機会があり「認知症」の正しい知識、対応の仕方の基本を学ぶ「認知症サポーター講座※」を受講しました。この講座は、認知症の正しい知識を得ること、対応の仕方の基本を学ぶこと(3つの「ない」1.驚かせない 2.急がせない 3.自尊心を傷つけない)等を目的としたものです。
実際には、「自尊心を傷つけない」ように話をするのはとても難しい場面があると感じています。そう感じた具体的な場面を紹介したいと思います。
きっかけは医者から「車の運転は止めるように」と言われたことでした。
○自分はこれまで無事故・無違反だし、何ら問題なく車を運転してきている。
○電車や徒歩での生活はできたとしても、やっぱり車で出掛けたい時や、車でないと行けない場所もある。
○「車を運転しないように」となぜ医者からそこまで言われないといけないのか。そんな権限はあるのか。
○認知症の本を読んでチェックしても、自分が認知症とは思えない。医者からの一言でなぜそこまで言うのか。
しかし、認知症の症状が、本当に運転を止めないといけない程度なのか私に測ることはできません。それでも車の運転はやっぱり心配で、この機に止めてほしいと思います。
「事故を起こすとは思わないよ。でも万が一のことが心配だから、運転を辞めた方が良いんじゃない?車がなくても変わらない生活ができるよ」と穏やかに話しても、本人は「車の事故なんて誰でも遭遇する可能性はあるのは変わらない、自分は事故に遭わないようにこれまでも慎重に運転してきている」と言うのです。
言っていることは筋が通っているし、いくら周りの人が心配していることを伝えても、本人が納得できる話でもない。でも、やっぱり車の運転は心配で、この機に止めてほしい。その繰り返しが暫く続きました。
結局、車は売却することになりました。
本人は腹の底からは納得していませんし、できるものでもないと思います。こちらも無理に納得させようという気持ちで話をした訳ではないのですが、一連のやりとりで「自尊心を傷つけない」ように話すことはできなかったと思っています。
※認知症サポーター
認知症サポーターとは、認知症について正しく理解し、認知症の人や家族を温かく見守り、支援する応援者。全国に約634万人のサポーターが誕生しています(平成27年6月末現在)。認知症サポーターやその養成講座について、詳しくは以下の厚生労働省のホームページも是非見てください!
http://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000089508.html
〔オレンジリング(認知症サポーターの印 ※養成講座を受講するともらえます)〕
〈今後〉
「認知症」で1番苦しいのは本人だと思います。一方、私はわたくしで、いままで以上にできることを、小さなことも含めて積み重ねていきたいと思っています。
「認知症」についての知識を既にお持ちの方も多くいらっしゃるかと思いますが、一人でも多くの方が正しい知識を持ったうえで、「認知症」の方にもさりげないサポートをして貰えたらと思います。
そして最後になりますが、「認知症」に限らず、困っている人がいれば助けようとすること、変わった様子の人がいないか気にかけること、そんなことが普通に誰に対してもできる人は素敵だと思います。私はまだまだできていません。すべてのことに応えるのは難しいことですが、そんな「気持ち」を大事に毎日過ごしていきたいと考えています。
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