生保労連(全国生命保険労働組合連合会)は生命保険会社の営業部門・事務部門に働く労働者25万人(19組合)を組織する労働組合です。

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被災地訪問‐東日本大震災で被害を受けた石巻・女川エリアを訪ねて‐

皆さんこんにちは中央書記長の田中です。 

先日、私たちの上部団体の連合で定期的に開催している「金融・保険部門連絡会」メンバーで、宮城県石巻市・女川町に事業所視察に行ってきました。石巻市や女川町は皆さんもご存じの通り、東日本大震災で大規模な被害を受けた場所の1つです。東日本大震災における当時の被災地をめぐり、当時の様子や復興に向けた取組みなどに触れながら、私たちの産業が今後こうした大規模災害に直面した時にどういった役割が果たすことができるのかを考えるために実施しました。

<震災当時の行政の取組みについて>

初日は、仙台市にある「連合・宮城」を訪れ、労働組合の役員でもあり、石巻市の復興を担当している保原氏より「東日本大震災時の行政における対応状況について」ご講演をいただきました。

災害に強いまちづくりをテーマに復興基本計画を策定・実行し、この10年間で 様々な取組みが実施されたそうです。
また、当時の石巻市を襲った津波の映像なども視聴し、地震や津波の恐ろしさを改めて知ることが出来ました。

連合・宮城

 

講師:自治労 石巻市職員労働組合 副執行委員長 保原氏

 

<まち歩き-女川町にて->

次に仙台市から女川町に移動し、女川駅周辺を地元の語り部に案内していただきながら、まち歩きを行いました。

女川町の再生・復興事業では、東日本大震災と同規模の津波が起こった際に被害を最小限にするためのまちづくりが行われました。具体的には、震災前の元の地盤に盛り土を行い、土地全体を嵩上げした上で商業エリアと居住エリアに区画整理し、再開発を行ったとのことです。

さらに、町の中心部に村役場などの公共施設や公益施設を集中させて利便性を高め、また、小中学校は前回と同規模の津波が来ても浸水しない高台に建設するなど工夫がされていました。

また、震災遺構として女川交番が当時のまま残されています。建物全体は傾いており、内部も津波によって損害を受けた様子を見ることが出来ました。

 

金融保険部門連絡会 のメンバーでの集合写真

 

女川駅周辺の様子‐シーパルピア女川‐

 

「震災遺構(旧女川交番)」

 

語り部から説明受けている様子

<震災遺構視察‐石巻にて‐>

2日目は、石巻市にある「みやぎ東日本大震災津波伝承館・石巻市震災遺構(門脇小学校)」にて視察を行いました。

石巻市での人的被害は死者・行方不明が3,500名を超えており、宮城県の中でも大きな被害を受けました。

「みやぎ東日本大震災津波伝承館」は、東日本大震災と同じ悲しみを繰り返さないために、震災の記憶と教訓を永く後世に伝え継ぐことや県内の震災伝承施設等へ誘う玄関口の役割を果たすため建設されたものです。

施設内では、震災時の津波の映像や被災者の証言による被災状況や津波から尊い命を守るための教訓をパネルや映像を通じて東日本大震災の脅威を知ることが出来ました。

また、伝承館の近くには門脇小学校が震災遺構として残されています。

みやぎ東日本大震災津波伝承館

 

「震災遺構(門脇小学校)」

 

今回の視察では、本当に貴重な経験が出来ました。決して他人事ではないと改めて感じましたし、後世に引き継いでいくためにも現地に赴き、自分の目で見て肌で感じることの重要性や人から人へ伝承していく大切さを認識させられる機会となりました。

<1年間を振り返って>

最後になりますが、生保労連は8月22日に第56回定期大会を迎えます。

2023年度も各組合や組合員のみなさまのご協力のもと、様々な活動を展開することが出来ました。今年度の大きなトピックスとしては、1月に開催した第415回労使協議会にて「生保産業や営業職員の社会的使命達成に向けた労使共同宣言」を採択することが出来ました。次年度以降もこうした取組みを加速させていけるよう生保労連として取り組んでまいります。